<9月27日FX戦略>中国不動産業者の債務不履行懸念
中国恒大は一部利息の支払いで目先の倒産危機をとりあえず回避し、先週末は主要株式市場は反発しました。
9月21日のブログでも書きましたが、目先は中国リスクが緩和していると思います。
ただし、中国最大の不動産会社、恒大集団の倒産危機は終わったわけではなく、本当の危機はこれからではないかと感じています。
下記は先週末の日経新聞の記事の抜粋です。
中国リスクに対する正しい認識は、非常に重要なことですので、日経新聞は目を通したほうがいいですねー
中国の不動産価格は高騰を続けており、私は何年も前からずっと中国の住宅バブルはもうすぐ崩壊すると考えていました。
しかし、どんなに住宅価格が高騰し続けても、中国政府はバブルが崩壊しないようにあの手この手を使ってコントロールしてきましたので、中国の不動産価格は更に高騰を続けています。
その結果、庶民は、どんなに働いても上海や北京など都市部でのマンションは全く手の届かない価格になってしまいました。
その節目が変わろうとしています。
習近平指導部は「共同富裕」というスローガンを掲げ、富裕層からの所得再分配を強化して貧困層を引き上げる方針を打ち出しました。
すでの多くのIT企業などがやり玉に挙がって半強制的に多額の寄付や社会貢献に資金を拠出させらています。
こうした方針を打ち出した習指導部が、これほど巨大になった中国の不動産業者をこのまま見過ごすとは思えません。
中国の住宅価格が値下がりに転じると個人消費が落ち込む影響は日本企業にも波及します。
また、中国の不動産業者の倒産が金融機関にに与える影響は、中国国内だけにとどまりません。
今後のトレードをするうえで中国不動産業者の過剰債務による債務不履行(デフォルト)が与える影響やリスクをしっかり理解し情報を入手することが大切です。
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複数の中国メディアによると恒大の許家印・董事局主席は22日夜に会議を開き、事業存続に向けた意欲を改めて強調した。
債務不履行はいったん回避できるとの見方から、23日の香港株式市場で恒大株は休場前の21日終値と比べ一時30%超も上昇した。
上昇を続ける住宅価格はかつての日本と同じように国民の間に「住宅神話」を生み、投機熱を高めた。
上海市の労働者の平均年収が12万4056元(約210万円、2020年)に対して、中古住宅平均価格は100平方㍍換算で731万元(1億2400万円、8月時点、捜房網調べ)と年収の約59倍に達する。
シンクタンクの如是金融研究院によると、住宅が年収の何倍かを示す数値は広東省深圳や北京でも50倍を大きく超え、9~14倍の東京やニューヨーク、ロンドンを大きく上回る。
中国の住宅市場の拡大を背後から支えてきたのが銀行など金融機関だ。中国の不動産融資は6月末時点で50兆7800億元。
10年で約5倍に膨らみ、中国の名目国内総生産(GDP)の約半分に相当する規模となっている。

習指導部は8月の中央財経委員会で「共同富裕」というスローガンを掲げ、富裕層からの所得再分配を強化して貧困層を引き上げる方針を打ち出した。
22年秋の党大会で3期目続投を視野に入れる習氏の旗印ともされる。その理念に照らせば、富裕層の投機対象になり、庶民の購入負担が重くなっていた不動産は一段の締め付けが避けて通れない。
恒大問題が世界に金融危機を引き起こすという最悪シナリオを免れても、中国の不動産業界の苦境はますます深まる見通しだ。
中国の住宅価格の高騰は、これまで資産価格の上昇を通じて個人消費を支えてきた。中国国家統計局によると1~6月期の経済成長に対する消費支出の貢献度は61.7%に達する。
住宅バブルの崩壊は個人消費の失速や、不動産・建設業の雇用喪失など経済に広範囲に打撃を与える。銀行を守るための「3つのレッドライン」が巡り巡って金融システムに打撃を与えることになりかねず、そうなれば世界経済も影響は免れない。
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