12月13日(月)米ドル円の今週のポイント!
アメリカでは人手不足と資源価格の上昇などもあって物価の上昇が止まらない状況にあります。
2年間続くコロナウイルスによる労働環境の変化により、多くのアメリカ人は働く意味を考えなおしたり、労働に対する意欲を失ったり、早期にリタイアしたりと、労働市場に戻ってこなくなっていることが人手不足の原因の一つになっているようです。
アメリカ労働省が12月10日に発表した11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が6.8%に達し、歴史的な高水準となったことは、12月10日のブログでもお伝えしたとおりです。
アメリカの個人消費は強く、半導体をはじめとした部品の供給不足が重なってこのようなインフレが発生しています。
FRBはこれまで、インフレは一時的だと言い張っていましたが、もうそんな言い訳はできる状況ではありません。
FRBがインフレ対応で金融引き締めを急ぎすぎれば、株価が急落して景気停滞のリスクを負います。FRBは非常に難しいかじ取りを迫られています。
こちらは↓、アメリカナスダックの過去5年間の週足です。
この5年で2.5倍程度に上昇しています!
FRBが金融引き締めに動くことで2022年は株式市場が大幅に調整することをマーケットは恐れています。

今週、12月14-15日に予定される米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリング終了を急ぎ、その後にいつでも利上げできるよう備える、というのがマーケットの大方の予測です。
来年インフレが緩和していくのかを決定するポイントは、現在の半導体などの部品の供給制約が緩和するかにかかっているとFRBも指摘しています。
すでに半導体の供給制約は緩和してきており、インフレが22年後半にかけて落ち着いていく、との見方そのものはFRBは変えていません。
今後5年の市場の物価見通しを示す期待インフレ率(ブレークイーブン・インフレ率)は11月に一時、3%台に乗り、家賃など住居費も上昇傾向にあります。
そういうことを考慮すると、これまでのFRB(米連邦準備制度理事会)関係者の発言を思い返してみても、今週のFOMCで、インフレの加速に対する強い懸念が共有され、金融の引き締め政策は加速していく公算が高いと考えています。
そして、米長期金利(米10年債利回り)が上昇していくのかについては、注目したいところです。
このチャートは米長期金利10年の日足です。
現在、1.492あたりで推移しています。

マーケットは来年のアメリカの利上げをかなり織り込んでいて、よほどのサプライズがない限りアメリカ長期金利が大きく上昇しないということも考えられます。
個人的には、米ドルについては中長期的に強気であり、今は押し目買いの好機でもあると考えていますが、米長期金利が1.7%あたりりまで戻らないと、ドルが反落するリスクは懸念されるところです。
今週は、FOMCが終了した後、米国債長期金利が上昇し、ドル円が140円を回復するか、に注目していきます。
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