12月30(木) 豪ドル円の2022年展望!
まず、2021年の豪ドルの動きを検証してみます。
こちらは豪ドル円の週足です。

豪ドル円は、2021年5月に85.81円の高値を付けました。
その後、8月20日のに77.87円まで下げます。
ここから大きく反騰して、5月高値85.81を突破し10月21日に86.26円まで上昇しました。
これで5月85.81と10月86.26でいわゆるダブルトップ(二番天井)を形成してトップアウトし大きく値を崩しましたね。
遂には、豪ドル円は12月3日に78.76円まで下げて大底をうちました。
10月21日の安値である77.87円をブレークするか注目していましたが、結局は77.87円が大きなレジスタンスとなり、その後はご存じの通り80円台を回復し、直近では83円付近まで戻しています。
そもそも、なぜ豪ドルが11月初旬から大きく下落したかというと、突如、オーストラリア準備銀行(RBA)が11月2日にYCC政策を撤廃したことが大きな要因となります。
この急落以前の状況はというと、10月までは不動産価格が上昇しており、インフレ退治のため、マーケットがRBAは当時の予測である2024年よりもかなり前に利上げすることを織り込んでいたことにあります。
こうした背景を踏まえて2022年の豪ドルの行方を展望してみると、私は豪ドルについては強気に考えています。
その一つの理由に、ゴールドマン・サックスが、再生可能エネルギーなど、習近平国家主席が掲げる「共同富裕」政策に関連する投資機会に強気のコメントを出しており、中国経済の回復と株価の上昇を見込んでいることです。
中国経済は、今年、恒大集団等の不動産業者のデフォルトの懸念やアリババなど超大手企業に対する中国政府による締め付けの強化などにより、大きく揺れた1年でした。
2022年は中国経済の反発が本物であれば、鉄鉱石などの資源価格が上昇するので、リスクアセット通貨である豪ドルにとっての強気材料です。
また、現在マーケットではアメリカドルの利上げは完全に織り込んでいますが、豪ドルについては全く織り込んでいません。
オーストラリアの住宅価格高騰やインフレの進行はRBAに金融引締めを促すことになると考えており、サプライズ的にRBAが金利引き上げを2022年のどこかでアナウンスすることになれば、豪ドルは急騰することになります。
カナダドルやニュージーランドドルは同じ資源国通貨ですが、既にマーケットは金利引き上げを織り込んでおり、上昇するスピードが速く、大きく上昇する可能性が高いのは豪ドルになります。
こちらは、豪ドル円の日足です。
現在は上昇基調を継続しており、もしばらくは上昇モードが続くと見ていますが、それも1月中旬くらいには調整する可能性が高いです。

こうした上昇下落を繰り返しながらも、2022年の豪ドル円は85円程度までは、意外に早く到達する可能性が高いと見ています。
その後も、豪ドル円については基本は強気でいます。90円くらいまで到達しても全く不思議ではありません。
しかしFRBの利上げに伴って株式市場が崩れことがリスク要因です。
リスク要因は目に見えているものばかりではなく、マーケット参加者の誰もが予想していないようなものまであります。
そうしたことが発生しても大きな損失を被らないよう、ストップロスを設定するなどリスク管理は忘れないようにしてください。
リスク管理などに関しては、こちらの記事も参考にしてみて下さい。
2021年はこれが最後の投稿となります。
2022年は1月4日から投稿スタートする予定です。
では、皆様良いお年をお過ごしください!!
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