11月04日(土) ユーロドル戻り売りチャンスか?!
アメリカの10月の雇用統計の結果が発表されましたね。
失業率は3.9%(予想3.8%、前回3.8%)という結果でした。
非農業部門雇用者数は、+15.0万人でした。(予想+18.0万人、前回+33.6万人)
予想よりも若干悪化した結果で、市場反応は金利の大幅低下、ドル売りとなっています。
こちらは、アメリカ10年債利回りの日足チャートですが、この数日間でなんと0.5%ほど急落しています。

一方で、今、私が最も懸念しているのは、イスラエルとハマスの戦争に端を発した中東情勢です。
イランがパスボラなどテロ組織などと組んで、イスラエルとアメリカの中東にある軍事基地に対して攻撃を仕掛けたりして中東情勢がさらに悪化する可能性が高まっています。
実際、イランではアメリカとイスラエルに対する大規模なデモが頻発しており、イスラエルとアメリカに対する敵意と憎悪はまだエスカレートしそうな勢いです。
10月26日に、イランのアブドラヒアン外相は
「イスラエルとハマスの戦争がより広範な紛争に発展した場合、米国も影響は避けられない」
と警告しています。
今後の展開として恐れているのは、イランによる「ホルムズ海峡封鎖」です。
中東情勢の緊迫感が高まっていることを認識しておいてください。
今後さらに中東情勢が深刻化した場合、為替マーケットに与える影響はどうなるでしょうか?
まず、原油価格の急騰を招く可能性が高いです。
イランがホルムズ海峡封鎖をすると原油価格は間違いなく急騰します。
そこまでいかなくても、原油は上昇基調です。
原油高の影響は、世界的にコストプッシュインフレにつながります。
アメリカのインフレも逆戻りとなりかねません。
そうなると、FRBの利上げ再開観測から長期金利の上昇につながるでしょう。
こうした事態に備えて、私はしばらく前からスイスフラン/円を買っています。
これは、相場が急落した時の保険的な意味合いもありますが、中東情勢が緊迫化すれば、スイスフランは上昇するでしょう。
ところで、ヨーロッパの状況はさえません。
前回のコラムでも指摘していますが、ファンダメンタルズ的にはユーロを買う材料はあまり見当たらない状況です。
10月26日に行われたECB(欧州中央銀行)金融政策決定会合で、ついに利上げの見送りを決定しました。
ECBは、2022年7月に利上げに着手して以来、なんと11会合連続で利上げをしていたのですが、
ついてに利上げの見送りを決定しました。
これは、インフレが落ち着いてきたこともありますが、ドイツをはじめとしたヨーロッパ経済がかなり減速していることが要因と考えられます。
また、ドイツ経済は中国向け自動車の輸出などを中心に中国経済に大きく依存しています。
この、中国は不動産バブル崩壊と人口減少、アメリカによる経済封じ込め政策などが影響して、景気は下向きです。
ドイツを筆頭とするヨーロッパの貿易収支が悪化していることも、ユーロの売り材料です。
また、イタリアの財政が相当悪化しており、財政規律に違反しているという指摘もあります。
こうしたことが表に出るとユーロ売りが加速しそうです。
チャート的にはユーロドルは上値を抜けており、買いなのですが、上方には90日移動平均線や200日移動平均線などのレジスタンスポイントが位置しているため、1.0800近辺で売りを推奨します。
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