5. FX取引でポジションの取り方

5-3 利乗せ取引
新しく通貨を買ったり売ったりすることをポジションを取る/建てると言いますが、ポジションの取り方にもいろいろあり、同じポジションを持つにしても、そのやり方が異なると結果も大きく変わってきます。
代表的なポジションの取り方としてピラミッティング、リフレクティング、利乗せ売買の3つがあります。
今回は「利乗せ取引」という手法をご紹介します。
5-1 でご紹介したピラミッティングはより積極的に利益を追求してく手法です。
5-2 でご紹介したリフレくティングは、利益を確定しながら慎重にトレードする手法です。
5-3 利乗せ取引は、今あるポジションに追加してどんどんポジションを大きくしていく取引手法です。
たとえば、2022年3月のロシアのウクライナ進行時のように、
大きなリスクオフになるよう戦争や大災害、ある国の金融政策の急な変更が
起きたりして、しばらくは強いトレンドが続きそうだという場合は、利乗せ売買
でより積極的にポジションを取っていくことで大きな利益が狙えます。
この利乗せ取引の場合、持っているポジションで利益が出ている場合、2回目、3回目とポジションの保有数を増やしていくことになるので、保有ポジションは大きくなり、その分リスクも大きくなります。
トレードの例をあげますと、①1ドル100円で10万USドルを買い、②101円に上昇したら20万USドルを買い足します。③更に102円で40万USドル買って103円になったら全ポジションを利益確定した場合、下記のように大きな利益を狙えます。
①100円 10万USドル購入 → 103円で売却 10万USドル× 利益3円=プラス 30万円
②101円 20万USドル購入 → 103円で売却 20万USドル× 利益2円=プラス 40万円
③102円 40万USドル購入 → 103円で売却 40万USドル× 利益1円=プラス 40万円
合計で110万円の大きな利益となります。
もちろん、逆に動いてしまった時は含み損となって、さらに想定と逆方向に動くと大きな損失を被ることになりやすいトレード手法です。
強いトレンドが続くという前提条件が崩れた場合はすぐに決済することが非常に重要です。
よくある失敗例として、含み益がどんどんと大きくなり、一気に利乗せ(買い増し)したところが天井で、相場が急落して利益が吹っ飛ぶという痛い目に合いことがあります。
このような悲惨な状態にならないためには、相場のトレンドをしっかりと見極めることです。
私の経験では、利乗せを何度もして大きな利益が出るようなトレンドは、1年に何度もありません。
ただ、よほど大きなサプライズやリーマンショック並みのブラックスワンが出現したときは、利乗せ取引の大きなチャンスといってもよいでしょう。
逆に言えば、普段のトレードで頻繁に行うトレード手法ではないと思います。