6. ポリンジャ―バンド

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テクニカル指標

6. ポリンジャーバンド

テクニカル指標のなかでも移動平均線と同じく、ボリンジャーバンドを用いた
チャート分析も有名な分析手法です。

ポリンジャ―バンドは、一見複雑に見える指標なので、初心者の中には使っていない方
もいるかもしれませんが、ボリンジャーバンドの分析手法を身に付けるとトレードの幅が広がり、エントリーのポイントなども適切に判断できるようになります。

ボリンジャーバンドをチャートに表示させると、±1σ・±2σ・±3σと、その中心の線で表示されます。

ボリンジャーバンドは、刻一刻と動く為替の動向を、ある幅(価格帯)の中に収まる確率を統計学を用いて計算・表示させます。

ボリンジャーバンドのσは、統計学的の正規分布の標準偏差と呼ばれているシグマ
を使います。

受験の時によく使っていた、偏差値は標準偏差の応用例の一つです。
いろいろな試験を受けると平均点が異なってきますが、平均点よりどれだけ
離れているかを分かりやすくした尺度です。

ポリンジャ―バンドにおける、中心線は移動平均線と同様です。

中心線より上が+σで、中心線より下が-σになります。

ボリンジャーバンドの±1σ・±2σ・±3σを使うことで、現在の価格が平均値からどれほど
離れていて、その乖離具合から、そのバンドの中にどれくらいの確率で収まるのか、
という参考になります。

移動平均線を中心とした上下6本の線が意味している確率は下記になります。

±1σのバンド内に収まる確率:約68.3%
±2σのバンド内に収まる確率:約95.4%
±3σのバンド内に収まる確率:約99.7%

±1σのバンドより外にローソク足が出る確率:31.7%
±2σのバンドより外にローソク足が出る確率:4.6%
±3σのバンドより外にローソク足が出る確率:0.3%

確率論的には、エントリー・決済するポイントにするのは、±2σ・±3σのバンド付近
を選べば、高い確率もとの中心値に戻ることになります。

このσの線を越えているかどうかが重要なのは、例えば、+3σに現在の価格があれば、99.7%の確率でしかこれ以上の高値にはいかないということになるからです。

したがって、このポリンジャーバンドの指標を見ることが過去の相場の動きから判断した
数学的な裏付けによって今後の動きを予想することが可能になります。

ただし、気を付けないといけないのは、±2σをはみ出す確率は約4.6%であり、さらに±3σをはみ出す確率は約0.3%でしかないので、滅多にないかというと、実はそうではありません。

相場は時にして勢いをつけて動くことがあります。こうした勢いがついている時は、短期のポリンジャ―バンドは±2σや±3σ付近で張り付いて価格が推移する事がよくあります。

私は、あまり超短期のテクニカル指標は重視しないですが、それでも短期、中期、長期のトレンドは同時に把握します。

例えば、短期として10分足、中期で8時間、長期で日足などは最低限見ておいたほうがいいです。

余裕があれば、より多くの時間軸で相場を見るほうがより相場のトレンドを把握しやすくなるので、最低3つの時間軸は見ておきましょう。

話は戻りますが、ボリンジャーバンドだけを見て価格が急騰・急落した時に、±2σ・±3σに価格があるからと言って「買われ過ぎ・売られ過ぎ」と判断して逆張りでエントリーすると失敗をすることになります。

一方で、レンジ相場ではボリンジャーバンドは逆張りの指標として機能する
場面が多いです。

ただし、トレンドが発生している時には逆張りの指標としては使えないことを
覚えておいてください。

トレードの基本はトレンドに乗ることだと考えています。

もし逆張りをするときはストップロスをしっかりと入れてトレード
するようにしてください。

ボリンジャーバンドはσの線たちが作り出す、「全体の形」にも目を向けて下さい。

ボリンジャーバンドには2つの特徴的な形が確認できます。

スクイーズ、エクスパンションと呼ばれています。

上のチャートの左側にあるような、6本のバンドが収縮している部分をスクイーズと呼びます。

ボリンジャーバンドがこの形を示しているときは、あるトレンドから収縮してトレンドが生まれていない状態を表しています。

上昇・下降どちらにもトレンドが生まれず、ローソク足が一定の範囲内で上下に行き来している状態をレンジ相場(またはボックス相場)と呼びます。

スクイーズはこのレンジ相場(ボックス相場)を表しています。

エクスパンションは、スクイーズとは真逆の形で、6本のバンドが広がっている状態を指します。

上記のチャートは2021年11月5日の豪ドル円の日足ですが、右側の円はエクスパンション
と呼ぶには少し弱い状態ではありますが、豪ドル円上昇トレンドからスクイーズに
動いている状況です。

チャートからも確認できるように、エクスパンションは相場の勢いを示したり、
トレンドが発生した時に出現」する形です。

上記の豪ドルのチャートで言うと、豪ドル円が大きく上昇した時の状況を表しています。

レンジ相場だったのが、エクスパンションとともに一気に上昇しました。

エクスパンションに注目して分析する際、注意していただきたいのですが、ポリンジャ―バンドの線がローソク足の進行方向と逆側に急激に大きく広がっていることがエクスパンションの条件となります。

ボリンジャーバンドは、エントリーのタイミングだけではなく「利食いのタイミングを見極める」のにも役立ちます。

ポリンジャ―バンドという投資手法を身に付けて、相場のトレンドの状況を把握してください。

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