マルチタイムフレーム分析とは
マルチタイムフレーム分析とは、チャート分析の一つなのですが、長期足、中期足、短期足といった複数の時間のチャートを見て、トレードの精度を高める方法です。
チャート分析などテクニカル分析については、こちらも参照ください。
ポイントは複数の時間軸を総合的に分析することです。
一つのチャートだけを見てトレードしていると、どうしても視線が狭すぎたり、広すぎたりしてバランスが悪く、トレードの精度がどうしても上がりません。
マルチタイムフレーム分析をすることによって、エントリーポイントを最適化できることが最も大きなメリットです。
こちらは、2021年12月10日のUSドル円の5分足、1時間、8時間、週足を1つの画面で表示したものです。
このように一つの画面で4つのチャートを同時に見られると、マーケットの短期、中期、長期の値動きを瞬時に把握できるので、非常に有効だと思います。

たとえば、普段15分足や1時間足を使うデイトレードのような短期トレードでは、マルチタイムフレーム分析をすると、マーケットのより大きな流れを把握できるため、エントリーポイントを絞りやすくなります。
マルチタイムフレームを使用するチャートは、月足・週足・日足・4時間足・1時間足・30分足・15分足・5分足・1分足のなかから自分とトレード手法に合ったチャートを見ることが大事です。
ちなみにこちらのチャートは、GMOクリック証券のチャートを使用して9つの種類のUSドル円のチャートを1画面に表示したものです。
1分、5分、30分、1時間、8時間、12時間、日足、週足、月足の9つのチャートを表示しています。
設定を保存ができ、4チャート、9チャートなどワンタッチで切り替えできる機能もあるので、簡単にリアルタイムの複数のチャートを見られたりします。

やはり、全てのチャートを見る時間がある人は、すべてを見たほうが良いです。
ただし、すべてのチャートを分析には時間が掛かるので、自分のスタイルに合ったチャートを3つ選ぶことをお勧めします。
たとえば、デイトレーダーであれば、長期を日足、中期を1時間足、短期を5分足といった感じです。
ちなみに私の場合は、長期を週足、中期を4時間足、短期を30分足などの組み合わせにすることが多いです。
もちろん、通貨によって変えたり、その時の相場の状況によって組み合わせを色々と変えてみたり、あるいは分析するチャートの数も3本ではなくて、5本、6本ともっと多くのチャートを分析することもよくあります。
こちらは、USD円、豪ドル円、ユーロ円、南アフリカランド円の4通貨の種類の日足を1画面で表示させました。

今回のマルチタイムフレーム分析とは趣旨が異なりますが、このように同じ時間軸で異なった通貨を同時に表示させて、分析することで、どのような関連性や違いがあるか、あるいはUSドルが先に動いてから豪ドルが動くなど特徴がみてくることもあります。
こうした視点もエントリーポイントを分析するうえで参考にしてみて下さい。
マルチタイムフレーム分析の活用法は、人それぞれですが、要するに重要なことは、複数の時間軸をチェックして、優位性の高いエントリーポイントを見つけ出すことにあります。
たとえば、長期、中期、短期のチャートがすべて同じ方向に向かっているときにエントリーするという方法もあります。
あるいは、中期、長期のチャートではトレンドが見えないときは、短期のトレードに集中することにして大きなリスクを取らないといった戦略も考えられます。
トレンドが明確でないときに、やみくもにエントリーするのは危険です。
休むのも相場です。
トレンドがはっきりしているとき、あるいは自分の得意なパターンにチャートがはまっている時を待ってエントリーしてください。
一本調子で上昇している局面で買わないと損をしているような気持になって、焦ってエントリーしたようなときは、しばらく利益が取れても大概上値掴みをして、相場急落に合い、大きな損失をしてしまうことはよくあります。
したがって、相場トレンドの中長期の流れと短期の流れを見極めることが非常に重要になってきます。
また、多くのトレーダーがエントリータイミングとして狙っているポイントは、過去に跳ね返された抵抗線になることが多いです。
そこで、抵抗線を抜けるか抵抗線にはじき返されるかを事前に予想することは、分からないのでトレンドが出てからエントリーすることが重要です。
どちらかの勝負がついた時にはじめて、大きな値動きが起こります。
FX初心者がなかなか勝てない理由のひとつにマルチタイムフレーム分析が上手くできていないことが挙げられますので、マルチタイムフレーム分析を身に付けてより勝率の良いトレードを目指してください。